離れていく
心が通じ合って
何度も頭を下げながら
見えなくなるまで
二度と会う事はなくても
貴方達のお母様を悼む気持ちです。
頂いた白いカサブランカを花瓶に挿し
その後部屋に入ってきた
事情を全くご存知ない女性が
「とってもいい香り」という。
それを聞いた私たちが
「そうなんです、とてもいい香りなんです」
と答えるしかないのだけれど
亡くなった人に捧げられた花の香りが
何の事情も知らない方の鼻腔を
清らかに通り抜けたのであれば
私達は「良かった」と緩和し
さらに悼む気持ちの奥深くまで行くのです。
心に寄り添えたら。