永曽信夫先生が
4日に亡くなったと訃報が届いた。
「演劇」のアクセントが前につく
独特な発音と声が
今も忘れられない。
本当は先生の演劇界での功績や
生徒への指導などを
客観的に記すべきなんだと思うのだけれど
自分勝手な私は
自分に関する思い出ばかり思いつく。
好きな詩を表現する授業で
穴を掘る詩を発表したら
「キミは虐げられて生きてきたのか?」と講評された。
逆に「私は虐げられて生きてきたの?」と自分の人生を省みるきっかけになった。
卒業公演の後、「キミは声はいいねぇ」と話しかけて下さった。
その時は「芝居を褒められず、声だけ褒められた」と落ち込んだけど
いま声を仕事に出来ているので
素直に喜べば良かったと思っている。
しばらくぶりにお会いしたら
「歌手になったのはキミか!テレビに出てただろう。見たことあるよ」
と言って下さったのだが…
たぶん、それは先生の優しい嘘。
偉大な先生だった。
一年しか教わってないのに、涙が出てくる。
合掌。